−納豆は、食を彩る 主人公− >


第21回気仙沼大会《ダイジェスト版》
宮城県気仙沼市に194点が大集結。
第21回審査結果
日本一は愛知県の山下食品さん。

No90 20th鑑評会当日。早食い大会、納豆食堂、ねば〜る君!
No89 20th鑑評会前日。偕楽園に水戸黄門像。納豆記念碑にねばり丼。
No70 世界最小の納豆屋
毎日12個は至高の12個

No.164 ショートケーキ風ミニタルト
カラフルで可愛く出来ました☆
No.133 生ハムと黒豆のカナッペ
黒豆納豆が見事にマッチ!
No.117 シュー納豆
ブルーベリーと黒豆が絶妙☆














さていよいよ後半です。工場見学って楽しいですね!
「菅谷食品」さんには、手づくりの納豆もたくさん。高橋社長さんから、ちょっとやって見るかい?って言われて、えっそれはモチロン、やらせていただきます!!という訳で、生まれて始めての経木の納豆作りに挑戦。でもこれって・・・結構難しいですよー!

【 写真左 】経木の端をくるっと丸めて筒を作ります。
【 写真右 】納豆をおたまに入れて量を量ります☆

香織:皆さん作るの上手いですね〜!

高橋社長:香織さんもやってみる?簡単そうで難しいよ。(笑)

香織:いいんですか!?ぜひお願いします!!

香織:最初の経木をくるっと筒にするところから、もうすでに苦戦中…。量りで量るのは香織でもなんとか出来ました♪

香織:皆さんの三倍の時間は確実にかかってやっと出来上がりましたぁ☆

【 写真下左 】おたまの中の納豆をさっき作った経木の筒の中に入れます。
【 写真下右 】クルクルと包んで出来上がり☆

【 写真左 】大谷石の醗酵室。
【 写真右 】ドアの表と裏はきちんとした木組みがされています。(円内)

香織:この醗酵室の壁は大谷石ではないですか?

高橋社長:大谷石の醗酵室だよ。中は総ひのきになっているよ。真ん中に炭とお湯を置いて醗酵させる。遠赤醗酵で大豆の芯から温めると、まろやかな納豆になるんだよ。焼き芋の原理からヒントを得たんだ。 こんな醗酵室は全国でも数えるほどしかないと思うよ。大谷石の醗酵室は普通の醗酵室の2〜3倍もするんだよ。

香織:すごいですね!総ひのきでしかもムク材ですね。

高橋社長:でもね、醗酵室、特にひのき室は衛生管理が大事なんだよ。だから平張りではダメ!週に一度は完全洗浄と消毒をしているよ。それでも寿命は10年程度しかないんだ。

香織:高級感ありますね!住めそうです!

高橋社長:醗酵室の温度と酸素の導入は、制御盤が70%コントロールしているんだ。残りの30%は醗酵担当者の経験とセンスにかかっているね。

香織:醗酵担当者の方は責任重大ですね。酸素の導入もコントロールしているのですか?

高橋社長:納豆菌は「好気性菌」なので酸素がないと醗酵しない菌なんだ。だから酸素が入るようにパックや外のフィルムには小さな穴が空けられているんだよ。

香織:へぇ〜。今まで全然気付きませんでした。

【 写真左 】冷蔵庫にはたくさんの納豆が積み上げられていて出番を待ってます。
【 写真右 】寒いよ〜寒いよ〜

香織:すっごく寒いですね!ここは何度になっているんですか?

高橋社長:3度だよ。醗酵室から出た納豆はこの冷蔵庫で24時間以上熟成させてから、出荷されるんだ。

香織:24時間以上も置くんですか!

高橋社長:しっかりと冷やしながらここで熟成させないと、醗酵室から出したままだとずっと醗酵を続けている状態になってしまうんだ。

香織:40度近い醗酵室から一気に3度から5度の冷蔵庫へ。おいしい納豆になるのって大変ね!(笑)

【 写真左 】前回受賞の「北海道」と今回受賞の「つるの子」納豆を前にしっかりとメモ!
【 写真右 】納豆のお話を詳しく、分かりやすく教えてくださる高橋社長さん。

香織:鑑評会のためになにか特別なことをされたりしましたか?

高橋社長:鑑評会のために特別にしたことって特にはないねぇ。この質問をされるといつも困っちゃうんだよ〜。いつものものをいつもの形で出しただけだよ。

香織:受賞して何か変化はありましたか?

高橋社長:前回、納豆鑑評会で賞を受賞したときは特に引き合いはなかったけど、今回つるの子納豆で受賞したら、かなり評価してもらえるようになったよ。

香織:へぇ〜。それはうれしいですね。

高橋社長:いつも、儲けや経営は二の次に考えているんだ。お客様に価格以上の良さを見出していただき、価格以上の評価を得たいといつも思っているよ。

香織:おいしい納豆を作るために社長はどんなことをに気をつけているのですか?

高橋社長:いかに納豆菌と友達になれるか、心を理解できるかにかかっているね。常に会話をしながら作っているよ。

香織:なるほど!それは難しそう!

高橋社長:ある時から、醗酵にたずさわる時は自分を人間のレベルで考えてはいけない、と思うようになったんだ。出来るだけ自分を納豆菌のレベルに近づけることが大事だよ。納豆菌は人間のできない大変なことができるんだよ。大豆を素晴らしい健康食品に変えてしまうんだ。

香織:納豆菌と社長はケンカとかもしちゃうのですか?

高橋社長:納豆菌とケンカをするともう大変!大きなしっぺ返しをくらってしまうよ。納豆菌は怒ると怖いよ〜!

香織:それは怖いですね〜。

高橋社長:365日、いつも同じものを作るのは絶対といっていいほど不可能!でも納豆菌とよくお話をしていると、納豆菌が何を望んでいるか、すぐ分るよ。

香織:納豆菌ってすごいんですねぇ〜!!

高橋社長:納豆菌は奥が深く、とっても難しいものだよ。納豆を極めた頂上があるとしたら、今自分が何合目にいるのかさえも分からないよ。でも結構登ってきたと思うよ。

香織:納豆菌と同じレベルになって、友達になって、その心をいかに理解出来るかにかかっているという高橋社長。納豆職人として納豆の奥深さにいつも向き合っているからこそ、このような深いお話が出来るのでしょうね。納豆は生き物とよく聞きます。毎日全く同じレベルの納豆は出来ないとも言われています。満足の行かない納豆が出来たとき、その原因をすぐ掴めるようにしているのが納豆職人としてのプロの姿。高橋社長からそのような姿を教えられて、香織は何だかとっても嬉しかった。

2005年福島で行なわれた全国納豆鑑評会で受賞した時の楯を持つ、製造・企画担当の関本さん(写真左)。賞状を持つ、営業・企画担当の加藤さん(右)。遠慮もなしに間に入って受賞納豆の「つるの子納豆」を持つ、食べるの専門の香織☆(笑)
納豆工場が初めてで少し緊張していましたが、高橋社長は香織が分かるように丁寧にとても分かりやすい言葉で説明してくれました。納豆のことが少し分かったような気がします。しかも、経木納豆作りを体験できるなんて感動!!難しかったけれど、すごく良い経験になりました☆これからも、「菅谷食品」さんにはおいしい納豆を作り続けて欲しいなぁと思いました。「菅谷食品」の皆様、ありがとうございました!!
納豆文化村 藤本香織

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